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日本庭園の見かた楽しみかた

2022/02/16 13:42
やまちゃん1
日本庭園はアートか?
文芸は言語芸術、美術は造形芸術、音楽は音響芸術、演劇・映画は総合芸術と言われます。庭園は時空芸術ではないでしょうか。自然風景を表現する(時間・季節を含め)庭園を歩く、あるいは座り、五感で何かを感じる。
紅葉の季節を迎えて、樹木の錦だけではなく庭園・作庭家の意図を識ることで「お庭さん」をより深く楽しもうというシリーズ。

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  • 2022/02/16 13:47
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    日本庭園の楽しみ方はいろいろあると思いますが…

    じゃまずどこのお庭を観たらいいんだろう?

    「切り口」で分けると分かりやすいと思う

    ・春は梅、桜 秋の紅葉など四季折々の樹木・花のきれいなお庭

    ・池泉庭園、枯山水、茶庭などの庭園形式

    ・国指定名勝庭園(186ヶ所)うち特別名勝(23ヶ所)をめぐる

    ・夢窓国師など作庭家のお庭

    ・寺社仏閣も含めて楽しみたい

    など…

    あるいは庭園は手段で目的はグルメなんてのもありかな…

    まずは時節がら、紅葉でいきます

    こんないいとこあるよ!!
    って情報、ブログ紹介もおねがいします?

    写真は、夢窓国師作庭の西芳寺(苔寺)
  • 2022/02/16 14:07
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    庭園の楽しみ方で、いま通ってるのは鎌倉です。

    日本庭園というと、京都のお庭さんが中心になりますが、見方を変えると鎌倉式の庭園もあると思います。

    なんと言っても、世界最高の作庭家の一人である夢窓国師の初期の庭園、瑞泉寺庭園はその後の世界遺産、西芳寺、天龍寺庭園の原型といわれています。

    瑞泉寺の上段、下段の二重構成の庭園は、西芳寺の下段の池泉回遊式庭園と上段の枯山水庭園に見られ、銀閣寺の下段の池泉と上段の石組などに影響しています。

    鎌倉の地形と地層を活かした、「やぐら」(墓)は、庭園の借景にもなっていて明月院の開山堂の庭園はやぐらに囲まれた庭園です。

    鶴岡八幡宮の「段葛」は、谷の奥の高低差のある社殿へ、遠近法を使った参道を庭にしたユニークな庭園です。

    また、鎌倉石は加工しやすく、浄智寺などの橋、石段に利用されています。
    岩壁は穿ち掘ることによって、瑞泉寺のやぐら、池、円覚寺の妙香池になります。

    また、狭い谷地に寺院が開かれたため、参道の両側、境内の中心に植栽がなされ「花の寺」が多いのも特徴ですね。


    鎌倉式の庭園を楽しみましょう?

    写真は夢窓国師作庭の瑞泉寺庭園
  • 2022/02/16 14:12
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    「作庭記」という日本最古の作庭指南書があります。11世紀後半に成立しました。

    編者は、橘俊綱(たちばなの としつな 1028〜1094 )といわれています。

    俊綱は、正4位上 修理大夫(しゅりだいふ)内裏の修理造営の責任者。

    作庭記は、作庭のコンセプトを示すだけでなく、芸術全般に通じる哲学があります。

    1.作庭に当たっては、地形にしたがい「生得の山水」(自然景観)を思い起こす

    2.過去の作例を模範としながら「我風情」(自らのデザイン感覚)でしあげる

    芭蕉の「不易流行」にあてはめると、変えてはならないもの不易が「生得の山水」であり、変化するもの流行が「我風情」でしょう。

    『不易を知らざれば基立ち難く、流行を知らざれば風新たならず』


    平安時代以前の「自然に倣う」庭園から、夢窓国師の変革、造形感覚を極め「自然をデザイン」する小堀遠州。小川治兵衛が提示したそこにある自然「自然に回帰」する庭園。

    作庭家の創造的美意識が新たな伝統になり、その伝統が不断なく創造性を刺激している…

    日本庭園は、空間芸術であり総合芸術なんだ。

    俳優としても大活躍の庭師村雨辰剛が、「庭師になったのは、日本庭園には日本文化がつまっているから」とは彗眼ですね。
  • 2024/03/01 14:52
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    日本庭園の三大様式
    ■池庭(池泉庭園) ■枯山水 ■露地 

    ●池泉庭園―池を中心にした庭園
    ▶池泉庭園は施主により、3タイプに分類
    ・浄土式庭園
     仏教の極楽浄土を模した寺院に属す庭園 
     浄瑠璃寺庭園、平等院庭園、毛越寺庭園
    ・寝殿造庭園
     公家の邸宅―寝殿造に属す庭園
    ・書院造庭園
     武家の邸宅―書院造に属す庭園
     銀閣寺庭園、金閣寺庭園
    ▶池泉庭園は鑑賞方法により、3タイプに分類
    ・池泉舟遊式―舟で巡りながら愉しむ
    ・池泉鑑賞式―書院から眺めて愉しむ
    ・池泉回遊式―歩きながら愉しむ

    ●枯山水―水を使わず、砂、石、土、木などで山水を表す、重森三玲は前期式、後期式に分類した
    ・前期式―庭園の一部の石組
     西芳寺(苔寺)の上段の庭石組など
    ・後期式―「水を表現する砂」の枯山水
     龍安寺石庭

    ●露地―茶の湯の庭、京都町家の坪庭
    ・茶の湯の庭
     青蓮院門跡露地、表千家不審菴露地、
     大徳寺孤蓬庵露地
    ・町家の坪庭
     有斐斎弘道館露地、鶴屋吉信本店茶寮露地


    写真は、有斐斎弘道館露地

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