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2022年 注目の展覧会

2022/02/16 14:18
やまちゃん1
2022年の展覧会スケジュールが発表されています。
皆さんの気になる、期待する展覧会はなんですか?

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  • 2022/02/16 14:22
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    2022年の展覧会は西洋美術が充実しているようです。 

    特に欧米では、「美術」は教養である(見るものではなく語るもの)といわれています。
    西洋美術史を体系的に識ると、展覧会の見方も今迄と違ったものになるでしょう。

    その点で、網羅的なコレクションの展覧会は美術史の格好の教材になりますね。

    時系列(東京)だと、
    2/9〜5/30
    ①メトロポリタン美術館展
    国立新美術館
    4/22〜7/3
    ②スコットランド国立美術館
    東京都美術館
    6/29〜9/26
    ③ルートヴィヒ美術館展
    国立新美術館
    10/8〜1/22
    ④ベルクグリューンコレクション展
    国立西洋美術館

    ①〜④で、
    ルネサンス・北方ルネサンス⇒ マニエリスム⇒バロック⇒ロココ⇒新古典主義⇒ロマン主義⇒19世紀(印象派など)
    までの特徴的作品を鑑賞できます

    ⇒20世紀(シュルレアリスムなど)⇒ポップアート・現代アート…

    2020年秋から休館していた国立西洋美術館も2022年6月リニューアルオープンします。

    写真は、メトロポリタン美術館展出品 フラ・アンジェリコ「キリストの磔刑」
  • 2022/02/16 14:26
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    2022年のもう一つの注目は、大阪中之島美術館のオープンです。

    大阪市政100周年の記念事業として、近代美術館の設立の構想が発表(1983年)されてから、約40年を経て2022年2月2日に「大阪中之島美術館」がオープンします。

    大阪、関西の美術ファンにとっては、待ちに待った開館ですね。

    大阪は、江戸後期には京都と分離して大坂画壇を形成していました。 
    浪速の知の巨人と呼ばれる木村蒹葭堂(きむらけんかどう)(1736〜1802年)、岡田米山人(おかだべいさんじん)(1744〜1820年)が中心となっていた。
    木村蒹葭堂のもとには、若冲、応挙、文晁などの画家、本居宣長、上田秋成などの文学者が集い文化サロンを形成しています。

    蒹葭堂も米山人も本業は大店の商家ですが、文人画を描き、美術品を蒐集するコレクターでもありました。

    こうした伝統を今に繋げているのが、大阪市に寄贈された600店あまりの「山本發次郎コレクション」で、大阪中之島美術館開設のもとになっています。


    山本發次郎【本名 戸田清】(1871〜1951年)は、現在の岡山県真庭市に生まれ、東京高等商学校(現一橋大学)を卒業後、鐘淵紡績(現カネボウ)に入社。船場のメリヤス製造販売「山発商店」の入婿となり、1920年に2代目山本發次郎を襲名し家業を発展させた。

    原三溪(1868〜1939年)が東京専門学校を卒業し、跡見女子校の教員に就き、横浜の豪商の入婿となり、家業を発展させ、日本有数のコレクター、日本美術のパトロンになった経緯とよく似ています。


    山本發次郎は、高僧の墨跡の蒐集から、白隠、仙厓の禅画、佐伯祐三、モディリアーニ、東南アジアの染織など自らの鑑識眼にかなった作品を蒐集することをモットーにし、
    『美術品の蒐集は永遠の文化事業』
    『蒐集もまた創作なりとの観念で集めている』
    『芸術には個性がなければせいめいがない。同様に芸術の鑑賞と理解にもまた個性がなくてはならない』
    など、美術品のコレクターとしての矜持を示す名言を残している。

    この思想は、岡倉天心(1863〜1913年)が「茶の本」で表した芸術鑑賞の心構えと同じですね。

    芸術家の魂を持ったコレクターは、現代の杉本博司(1948〜)に繋がっていますね。
  • 2022/02/16 14:29
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    大阪中之島美術館の開館記念展の目玉は、佐伯祐三(1898〜1928)30歳、モディリアーニ(1884〜1920)35歳の二人の夭折画家の作品だろう。

    特に、モディリアーニの「髪をほどいた横たわる裸婦」(1917)は、1989年に大阪市が19億円で購入(購入時は山本發次郎の手をはなれていた)した事で当時から話題の作品です。

    この作品と同年に描かれた「横たわる裸婦」が2015年サザビーで209億円の歴代2位の高額で落札されたことでもふたたび話題を呼びました。


    モディリアーニの裸婦は1916〜1919に集中して画かれた。ユダヤ系ポーランド人の画商レオポルドズボロフスキーが専属契約を結び裸婦像を勧めたようです。

    1917年に生涯唯一の画廊での個展を開くチャンスに恵まれます。
    会場のベルトヴァイル画廊は、無名の作家を売出すため、街路の窓から見えるように「陰毛が描かれた裸婦像」を展示しました。
    これが話題を呼び、大盛況、「エロティクな描写」と非難をあび官憲が画廊に踏み込み、裸婦像は1日で展示不可となりました。

    モディリアーニの死後、パリ在住の日本人コレクター福島繁太郎(1895〜1960)が「髪をほどいた…」を購入します。
    帰国後、1934年日劇での福島コレクション展に展示。日本でも猥褻との批判をうけましたが、福島は、なんと!! 陰部を隠す左手をパステルで書換え、左手を背中に回した構図にしてまんまと展示に成功しました。

    数年後、山本發次郎が絵を購入した。
    戦時中、空襲が激しくなると、コレクションを疎開させなくてはなりません。しかし、厖大な作品の運送にはトラックが必要でした。
    發次郎は、陸軍にトラックを寄付するなどして陸軍とパイプがありました。しかし、戦況が厳しい折、絵画のコレクションの運送を頼むのは無理…

    發次郎は、一計を案じ、「歴代天皇の宸筆を疎開させる」(実際にあったが)ためトラックを借り受けることに成功。
    こうして「髪をほどいた横たわる裸婦」をはじめ佐伯作品などが戦火をまぬがれた。
    ただし、相当数の作品が消失した。


    こうして、モディリアーニの名作は大阪中之島美術館で、今、見られるのです。

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