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茶の湯の美

2022/07/29 16:20
やまちゃん1
茶の湯の歴史、茶碗の変遷、名物茶碗を巡る。

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  • 2022/07/29 17:00
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    【茶の湯の歴史】

    ⚫茶の伝来 平安時代 
     最澄 留学僧最澄が持ち帰ったタネを比叡山に植えた。840年に喫茶の記述がある。
    ⚫喫茶文化のスタート 鎌倉時代
     栄西 明恵 臨済禅を宋で学んだ栄西が抹茶の喫茶法を伝え薬用として源実朝に献上。高山寺の明恵上人にも茶種を送った。
    ⚫武士階級で流行 南北朝時代
     足利尊氏 夢窓疎石 茶が寺院から武家に広がり、嗜好飲料として定着。産地を飲み当て賭事にした「闘茶」が流行。尊氏が禁止令を出す。
    ⚫書院の茶会/侘び茶の芽生え 室町時代
     足利義満 「会所」で喫茶が開始。義満は蒐集した唐物茶碗を座敷飾りにした。「書院造り」で茶会が発展。
     足利義政 一休宗純 村田珠光
     応仁の乱で京が荒廃「侘び茶」が芽生える。一休に参禅した珠光が精神性を押し出した茶の湯を義政に指南。
    ⚫御茶湯御政道/茶の湯の大成 桃山時代
     武野紹鴎 織田信長 豊臣秀吉
     堺の豪商武野紹鴎が珠光の教えを広める。「侘び茶」の発展と並行して、茶の湯、茶道具が政治経済の手段として織田信長
    が組み込み、豊臣秀吉が引き継ぐ。
     千利休 「侘び」の思想を確立し、茶の湯を完成するが、秀吉により自刃。「利休七哲」に引き継がれる。


    写真は、千利休像 長谷川等伯画 春屋宗園賛

    江戸時代に続く
  • 2022/07/29 18:19
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    【茶の湯の歴史】その2

    ⚫大名茶人の活躍 江戸時代
     古田織部 小堀遠州 
     「利休七哲」のひとりで秀吉の家臣、古田織部、徳川幕府の官僚で建築家、作庭家でもあった小堀遠州が武家社会にふさわしい、格式を取り込んだ茶風を生む。
    ⚫家元制度の確立 江戸時代中期
     千宗旦 千宗左 宗室 宗守 川上不白
    千宗旦の三子の表千家、裏千家、武者小路千家や、川上不白がはじめた江戸千家などの流派が誕生。江戸中期には茶の湯が町人にも広まった。彼らに利休の教えを伝える茶人が活躍。
    ⚫茶の湯研究の発展 江戸時代後期
     松平不昧 井伊直弼 
     「大名茶」があらたな展開。松平不昧は茶道具蒐集の成果として「古今名物類聚」を刊行。井伊直弼は茶の湯研究の集大成「茶湯一会集」を著す。

    ⚫近代数寄者の隆盛 明治時代
     益田鈍翁
     明治維新後、財界、政界の富裕層が茶の湯の世界へ、美術品という観点で名物道具を取り入れ蒐集した。代表的茶人は、近代三大茶人と云われる、三井物産の創業者 益田孝(鈍翁)、三越社長など 野崎廣太(幻庵)、電力界の大御所 松永安左エ門(耳庵)。

    写真は、松江藩七代藩主 松平治郷(不昧公)
    江戸時代 19世紀 月照寺蔵
  • 2022/07/29 19:53
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    【茶碗の変遷】

    時代によって茶の湯でもてはやされる茶碗が変遷する。

    ⚫唐物茶碗 鎌倉時代〜室町時代
     8〜9世紀の中国で最も技術的に洗練され、文化人に尊ばれたのが、青磁と白磁だが、黒い釉薬がかかった茶碗が庶民にも使われるようになる。黒い茶碗は禅宗の美意識に合致し寺院で使われるようになった。技術的に最高峰の曜変、油滴と呼ばれる独特の模様の茶碗は天目山で修行した禅僧が茶礼の為に持ち帰ったため天目茶碗と呼ばれる。口縁が絞り込まれ、小さな高台が特徴で、きらびやかで完全なシンメトリーを持つ。中国の美意識が反映されている。多くの茶碗が「東山御物」として足利将軍家に収蔵された。

    ⚫高麗茶碗 室町時代末期〜桃山時代
     朝鮮の民窯で焼かれていた日常雑器を日本の茶人が賞玩し茶器に「見立てた」。いびつで歪んだ一点物の個性が評価された。井戸、三島、粉引、刷毛目などがある。文禄・慶長の役で朝鮮半島から陶工が来日し九州で活躍した。茶人たちは好みの茶器を朝鮮半島にオーダーする。斗々屋、割高台、御所丸など。

    写真は、曜変天目 銘 稲葉天目
  • 2022/07/29 19:55
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    【茶碗の変遷】その2

    ⚫和物茶碗 室町時代末期〜桃山時代
     茶人達が高麗茶碗を求めた頃、国内各地で窯が整備され始めた。秀吉が天下を取り、千利休が茶匠として地位を築いた天正期には、瀬戸黒、黄瀬戸、志野、織部が誕生し、利休好みの窯として、信楽、唐津、備前、朝鮮陶工が始めた上野、高取、薩摩、萩などの窯が作られた。これらは国焼と呼ばれ、初代長次郎に始まる楽焼や仁清、乾山などの京焼を含めて和物茶碗と呼ばれる。


    茶人の茶碗の順位「一楽、二萩、三唐津」も和物茶碗。

    茶碗は、茶の湯のクライマックスを演出する華であり、茶道具の中でもひときわ多彩なヴァリエーションをもつ。

    写真は、黒楽茶碗 銘 面影

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