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浮世絵は江戸文化の華
浮世絵は江戸文化の華であり、世界に影響を与えるジャポニスムの魁となったアートです。浮世絵のジャンルには美人画、役者絵、風景画のほかに春画があります。当時出版された浮世絵の約3割が春画でした。また、浮世絵の最高の技術が使われているのは春画とも言われ、当代絵師の一流の証明でもあった。
2013年に大英博物館で開催された「大春画展」は9万人の入場者で話題になり、2015年日本に里帰りした永青文庫「春画展」では老若男女19万人に感動を与えました。
春画は平安時代の公家社会で誕生し、一般庶民には江戸時代の浮世絵で広がりました。
江戸では、菱川師宣から鈴木春信、喜多川歌麿、鳥居清長、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳など、上方でも狩野山楽、英一蝶、西川祐信、月岡雪鼎など一流の絵師が肉筆春画を描いています。また日本画の伝統的分野として、狩野派土佐派の奥絵師の画系で使われていた絵手本に「好色春画之法」の章が含まれており、格式高い奥絵師でさえも、春画の描き方を習熟する必要があったことがわかる。近代でも竹内栖鳳、上村松園、鏑木清方などの春画が残されています。
春画は、浮世絵芸術の一方の最高峰に位置し、春画を観ずして浮世絵の本当の凄さは語れません。
江戸文化の華、浮世絵春画を考察する。
2013年に大英博物館で開催された「大春画展」は9万人の入場者で話題になり、2015年日本に里帰りした永青文庫「春画展」では老若男女19万人に感動を与えました。
春画は平安時代の公家社会で誕生し、一般庶民には江戸時代の浮世絵で広がりました。
江戸では、菱川師宣から鈴木春信、喜多川歌麿、鳥居清長、葛飾北斎、歌川広重、歌川国芳など、上方でも狩野山楽、英一蝶、西川祐信、月岡雪鼎など一流の絵師が肉筆春画を描いています。また日本画の伝統的分野として、狩野派土佐派の奥絵師の画系で使われていた絵手本に「好色春画之法」の章が含まれており、格式高い奥絵師でさえも、春画の描き方を習熟する必要があったことがわかる。近代でも竹内栖鳳、上村松園、鏑木清方などの春画が残されています。
春画は、浮世絵芸術の一方の最高峰に位置し、春画を観ずして浮世絵の本当の凄さは語れません。
江戸文化の華、浮世絵春画を考察する。
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サークルに参加する- 2022/05/25 16:22フランスのゴンクール兄弟は、世界三大文学賞の一つゴンクール賞の創設者として有名な文学者ですが、浮世絵の世界的コレクターとしても有名です。エドモン・ド・ゴンクール(1822〜96)は、「歌麿」「北斎」の評伝を晩年に出版し、浮世絵をギリシャ・ローマの古典美術と比較し、規範にとらわれない自由な開放感の「官能性」の存在を指摘しています。「ファンタジーの中に霧散する春画はポルノグラフィーではない」「我々のプリミティヴの画家たちに見られるような、深くうなじをたれた宗教儀式じみた姿勢、ほとんど宗教的にすら見えるほどの愛の行為が描かれている」とも語っています。
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ゴンクールによって18世紀の偉大な芸術家となった北斎の破壊力は「喜能会之故真通(きのえのこまつ)」全3巻 文化11年(1814)の通称「蛸と海女」によって決定的な衝撃を欧米に与えた。
写真は、「蛸と海女」
海女が2匹のタコに捕らえられ、性的快楽を受ける様を描いている。小蛸の方からは口吸い(接吻)を受け、大蛸は彼女にクンニリングスしている。
背景には、海女の喘ぎ声や局部からでる音等、北斎の詞書で満たされているのが特徴である。
『あれあれ、中がふくれあがつて、アゝアゝ、ゆ(湯)のやうなゐんすい(淫水)、ぬらぬらぬら、どくどくどく。ヱゝ、モゝウ、くすぐつたくなって、ぞつぞつと、こしにおぼへ(覚え)がなくなって、フゝゝゝウ、フゝゝゝウ。・・・』海女のせりふ - 2022/05/25 18:01浮世絵には版画の他に肉筆浮世絵があります。最も有名なのは浮世絵の祖とも云われる菱川師宣の「見返り美人図」です。
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肉筆春画の第一人者は月岡雪鼎(つきおかせってい)でしょう。雪鼎(1726〜87)は、江戸中期の絵師で春信、若冲、応挙、蕭白の同時代人です。おもに大阪で活躍しました。京狩野派の高田敬輔(蕭白の師)に師事し、西川祐信の影響を受け肉筆美人画を描いたそうです。
正統的絵師と認められて、1778年には絵師の最高位である法眼に推免されています。
『天明の大火の時、焼け跡の中になぜか残った蔵があった。訝しんだ人々がその蔵の中に入ってみると、その持ち主も見覚えのない雪鼎の春画があったという。この逸話が広まり雪鼎の春画は火除になると評判が広がり、値が十倍にもなったという。』
写真は「春宵秘戯図鑑」1770年頃より
これほど美しく、性の官能を描いた作品は知りません… - 2022/05/26 07:48ゴンクールによって「青楼の画家歌麿」と呼ばれた喜多川歌麿は、「寛政の改革」に挑戦するように版元蔦屋重三郎と錦絵大判12枚組の「歌まくら」天明8年(1788)を発表する。蔦重と歌麿のコンビは20世紀初頭パリの芸術界を席巻したディアギレフとニジンスキーのような最強タッグですね。「歌まくら」は「歌麿の毛がき彫師の泣きどころ」といわれる繊細な線描表現と大胆な構図が見どころで北斎の「浪千鳥」と共に浮世絵春画の最高傑作といわれています。
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写真は、
「歌まくら」の第10図は、出会茶屋(今のラブホ)で密会する不倫カップルを描いています。
男は薄墨色の着物に羽織、女は黒地の着物の下に紅色の長襦袢姿。女の顔は見えないが、長襦袢からみえる白い肢体と、こちらを覗く男の片目に視線がいく。女のうなじや手の表情をこまやかに描き、男のもつ扇子には狂歌が書かれている。
「蛤(はまぐり)にはしをしかっとはさまれて鴫(しぎ)たちかぬる秋の夕暮れ」
新古今和歌集の西行
「心なき身にもあわれは知られけりしぎ立つ沢の秋の夕暮れ」
をもじった秀作ですね
心なき身(仏門)にもあわれは感じると、二人の境遇と離れたくない、離さない女、男の片目が語るもの… - 2023/11/30 15:52春画の始まりといわれる「小柴垣草紙」。実際にあった皇室スキャンダルを後白河院がプロデュースして、院の近くにいた藤原信実?、住吉慶恩?らに描かせ、自ら詞書を入れたともいわれる。
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寛和2年(986)、済子女王が斎宮として伊勢神宮へ向う途中、嵯峨野で斎戒沐浴している時、従者の美男武士、平致光を誘惑し密通におよんだと、宮廷でスキャンダルになり、伊勢神宮への務めが中止された。
この事件を物語にしたのが「小柴垣草紙」で後白河院が「年中行事絵巻」「伴大納言絵巻」「病草紙」「餓鬼草紙」などと一緒に蓮華王院宝蔵に納めた。
東京国立博物館に収蔵している「小柴垣草紙」は藤原信実筆といわれる。 - 2024/09/24 12:24【月岡雪斎 娼妓とオランダ人図】
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美しい春画ー細身美術館2024年に出品された春画(個人蔵)。
月岡雪斎は月岡雪鼎の長男。江戸に移り活躍、月岡芳年は養子。
長崎、娼妓を高い椅子に座らせ致すカピタン。椅子の下にはカピタンの従者が、自身のモノをしごきながら、娼妓の淫水を瓶に受けている! 珍品ですね!
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